社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2013年7月18日発売)
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本棚登録 : 1347
感想 : 66
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社会心理学と聞いて心理学の一部門というくらいにしか考えていなかったけれど、社会学や哲学にも造詣が深い著者の目線からの話が全体像を把握しやすかった。
volumeも多く読むのに時間がかかったけれど、どの章もとても内容の濃いものばかりで、改めて読み返したいと思うほどだった。

読み終わって改めて感じたことは、世の中を一つの真理で説明することはできないと。多様性や自由が大事だというけれど、社会で揺るがない普遍的価値があるとすればそれはもう閉ざされた社会になってしまう。
開かれた社会というのはあらゆる法律ルール道徳、いずれにおいても変わることのない絶対的なものは存在しない。全ては相対化されたものに過ぎないことを受け入れることが大切なのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2021年10月20日
読了日 : 2021年10月20日
本棚登録日 : 2021年10月16日

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