盗まれた記憶の博物館 下

  • あすなろ書房 (2002年10月1日発売)
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本棚登録 : 683
感想 : 40
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オリバーはクワシニアでペガサスやガラスの鳥、絵筆など、忘れられた物たちと固い友情でむすばれながら、父をさがすとともにクセハーノ打倒を画策する。いっぽうジェシカは、学芸員で親身になって協力してくれるミリアムとともに、コンピューターを駆使して、父が追っていたものの謎にせまる。原著のかかれた1997年あたりは、ようやくインターネットが一般にも普及し始めて、少しずつウェブサイトが増えつつあったころ。まだ大規模な検索エンジンはなくて、どこのサイトにもリンク集がついていたりした。わずか20年ほど前のことなんだけど、作中に出てくるインターネットの説明などを読むと、一昔じゃすまないくらい前のような気がする。
それだけに、作者がたびたび訴えているような、過去の歴史を忘れてしまうことのおそろしさがリアルにせまってくるように思う。クセハーノに支配されないためにも、過去を大切にしながら進んでいかなくちゃならないのだと思わされた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2016年5月29日
読了日 : 2016年5月29日
本棚登録日 : 2016年5月29日

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