小川洋子『とにかく散歩いたしましょう』に出てきた本。
それまで存じ上げなかったけれど本業は翻訳家。
翻訳業の前はサントリー宣伝部勤務という変り種の経歴。
翻訳家ということもあるけど世界に対する感覚が敏感で独特。
こういう思考大好きだなあと思う。
幼少期から社会人生活、翻訳家生活のエピソードや思考のぐるぐるをネタとしたエッセイで、たまにファンタジーのような内容が出てくる。
なかなかここまで振り切れた人はいないだろうと思い、多少のフィクションはあるだろうと思いつつも、いや、本当にぶっ飛んだ人かもしれないと思う。
冒頭の「空即是空」に書かれている、
「数学心のないひとは1+1=2の大前提を心のどこかで信じていない人」という記述でもう私の心は鷲掴みである。
ユーモラスで突拍子もない。
小川洋子の本で出てきた、というバイアスを除いても、小川洋子の小説世界に近しいものを感じた。
http://www.horizon-t.net/?p=655
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2012年10月25日
- 読了日 : 2012年10月25日
- 本棚登録日 : 2012年10月25日
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