江戸末期から明治まで、近代落語の祖と言われた大名人、三遊亭円朝と関わりの深かった女性たちを、身近にいた五厘の目線で噺家の語り口で綴る。
面白かった〜。
落語のことはほとんど知らないのですが、
噺家の生活、江戸時代においては身分などもなかったこと、
吉原のこと、明治になってからの戦争のこと、
鮮やかに情景が目に浮かぶほど細やかな描写で、
それでいて噺家の語り口なので飽きずに楽しく読めました。
円朝を愛した女たち、吉原の花魁、芸者、旗本の娘、など、
複雑な心情を側で見ていた語り手の優しさがいい。
円朝の本心はわからないけれど、語り手が円朝の表情を
話すだけで、その空気感が伝わってくる。
絶頂を極めた円朝も晩年は寂しい様子だったことも描かれる。
庶民の目から見た時代小説。
傑作です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2013年に読んだ本
- 感想投稿日 : 2013年8月17日
- 読了日 : 2013年8月17日
- 本棚登録日 : 2013年8月17日
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