面白そうと思って、購入する前にもう一度、マンガ版『風の谷のナウシカ』を読み返した。
ナウシカを一通り読むと、考えたくなる部分が幾つも出て来る。
筆者もそんな思いに駆られて著したのだろうか。
ストーリーを丁寧に追いながら、墓所のクライマックスシーンの解釈は、自分の中に渦巻いていた分からなさに、一つの示唆を与えてくれた。
あとは個人的なナウシカ感想(笑)
王蟲とは何だったんだろう。
幼生を贄に取られた時は攻撃色を示し、粘菌に対しての大海嘯?には青いままだったのも、不思議。
人間が生み出したシステムとしての生き物だけれど、彼らは新人類と同じ体液の色を持ちながら、怒りも悲しみも持ち合わせている。
ナウシカに言わせると、だからこその慈しみと友愛なのだろうけど。
ナウシカを読んで思ったのは、墓所は未来を統べる神にはなれず、恐らく清浄な世界で満ちることもないだろうということだった。
それでも、ナウシカが墓所を壊したことで、王蟲の培養や巨神兵といった、明らかにレベルを超えた力で、一気に滅亡するエンディングからは遠のいたのではないかと思う。
対して私たちは、核を扱えると思っているのか。
そして、ナウシカのように分を超えたテクノロジーを見極める目を持っていると言えるのか。
人間が生み出した巨神兵によって、裁定されたのは皮肉にも人間自身だった。
映画では描かれなかったオーマの成長と、クシャナさんの決断が、マンガ版ではお気に入りだ。
ここについても別冊出してくれないかな。
こんな風に(笑)、『ナウシカ考』を元に各々のナウシカに想いを馳せて欲しいなと思う。
- 感想投稿日 : 2019年12月22日
- 読了日 : 2019年12月22日
- 本棚登録日 : 2019年12月22日
みんなの感想をみる