アンナ・カレーニナ 中 (岩波文庫 赤 617-2)

  • 岩波書店 (1989年11月16日発売)
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本棚登録 : 259
感想 : 23
4

中弛みのしない展開。
人物描写が上手い!

上巻では見られなかったカレーニンの弱さと、アンナへの新たな感情。
失恋して逃避に走ったお嬢様キチイの意外な強さが、すごく良かった。

反対に、レーヴィンの相変わらずの不器用さと盲目さが可愛い(笑)

唯一、好きになれないウロンスキイ。

各々に考える愛があって、何が正解かとか正しいかは分からないなりに、模索しては壁にぶち当たっている姿が切ない。
そこに、ロシアの当時の在り方が重なってきて、守るべきものと打ち壊すべきものが交錯してくるので、単にご近所物語では終わらない大きさが生まれてくるのかな。

その中で考えさせられる、女性の美しさ。
アンナの持つ魅力と、キチイの持つ魅力。
男の気をひくためのしたたかな作戦と、男たちの一歩上をいかんとする気概。

下巻に続くのだが、結末が少し怖かったりする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2013年
感想投稿日 : 2013年4月14日
読了日 : 2013年4月14日
本棚登録日 : 2013年4月14日

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