『カストロの尻』前哨戦として購入。
底本が1988年刊行。私、何歳よ。
大学進学と共に、小説家のおばさんの家で同居することになった桃子。
お互いに気持ち良く生活出来ているとは言えないものの、桃子の大学生活を聴くことで、おばさんの小説やエッセイのテーマに変化が現れる。
この小説やエッセイがそのまま挿入されているのも、この作品の面白さで。
桃子や花子といった少女たちと。
おばさんや母が過ぎてきた少女時代と、彼女たちの描く少女像は、それぞれ微妙にズレがあったりする。
桃子がメンチカツを作っていると、弟が欲しいと言い、桃子は自分で作れと突き放す。
ところが、母は弟には作れないといい、一緒に作ってやるよう(それどころか桃子が作り上げた分を先に弟に渡そうと)命じる。
それを桃子は憤慨し、弟が降参する。
この関係性。じわっと面白さがくる。
過渡期と言えるのか分からないけれど、それぞれが見ている時代の枠組みと、そこに拘泥するまいと気取る登場人物達が、また大きな枠に入れられているような。
多分、順番は違うと思うのだけど、手に入る本が限られているので読めるものから読んでいこうと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2017年
- 感想投稿日 : 2017年12月27日
- 読了日 : 2017年12月27日
- 本棚登録日 : 2017年12月27日
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