一個人が本を集めるということは、やがてその人が年老い、死んでいったあと、その多量の本をいったいどうするのか、という問題を抱え込むことでもある。著者は作家として多量の資料を収集しながら、住まいを変え、図書館も併用し、蔵書を他者にも閲覧可能にするようなシステムも考える。だが結局、八十歳のあるとき、膨大な蔵書を処分することを決断する。
私も、身内から「図書館を使えばいいじゃん」「トランクルームとか使えばいいじゃん」と言われるけれども、それではできないことがある。というか生きている意味がない。常に身の回りに本がないと、生活がなりたたない。でも、自分が近い将来死ぬまでに、この本をなんとかしなければ、とも常に思っている。図書館に寄贈?いや、受け付けられないだろう。古書店に売却?買い手がいないだろう。じゃあこの多量の古紙をいったいどうすればいいのだろう。とはいえ、まだ、生きているうちは、私にとっては有益な古紙だ。とことん読んで、とことん楽しもう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
図書館で借りた
- 感想投稿日 : 2023年10月8日
- 読了日 : 2023年10月8日
- 本棚登録日 : 2022年1月11日
みんなの感想をみる