田子の浦に うち出でて見れば 白砂の
富士の高嶺に 雪は降りつつ
ーー田子の浦の海辺に出て 真っ白い富士山をあおぎ見ると
その高い峰に雪が降り続いているーー
(山部赤人 百人一首4番)
「速さへの執着を捨てなさい」
天性の聴力を持ち、そのずば抜けた才能で百人一首を戦ってきた千早に、恩師原田先生は言い放つ。
その言葉を咀嚼しきれぬまま臨んだかるた大会。
5人の部員中4人が決勝進出。しかも太一と優征、奏と勉の対戦がそれぞれの階級の決勝戦となる。
自滅する形で初戦敗退していた千早は、キャプテンとして、自分を取り戻すためにも、皆の戦いに熱視線を注ぎ見届けるハラを決める。
かるたをただの競技でなく、その背景にまで踏み込んで味わい尽くし戦う奏と勉。
最後の最後の「運命戦」までもつれ込んだ太一と優征。
5人の熱い戦いは、福井の新のこころを揺さぶる。
「団体戦がしたいね。みんなでまた、チームになりたいね」
「チーム。私の大事な」
5人プラス1の熱く心揺さぶられる物語が続いていく。
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- 感想投稿日 : 2020年6月7日
- 読了日 : 2020年6月4日
- 本棚登録日 : 2020年6月7日
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