枕草子 上: 桃尻語訳

  • 河出書房新社 (1987年9月1日発売)
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感想 : 16
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 著者の橋本治さんの訃報を聞いて、その代表作に触れてみたかった次第。

 私は高校からは理系で、まともに古文の授業を受けたのは、中学まで。特段古文に思い入れもなく、枕草子なんて冒頭の教科書に載っている部分しか知らないレベルの人間です。ということで、枕草子という古典文学の名著にもかかわらず、中身をほとんど知らず。今回、初めて「そういう本だったんだ」と知った次第。

 「桃尻語訳」というのは、要は現代の若い女性の言葉に直訳したというもの。清少納言が今風の年相応の女性として、とてもフレンドリーに語りかける感じに訳されています。これは、新しい感覚。
 ただ、「現代」とはいっても、この本が発表されたのは、既に30年以上前。もう、ある意味古語ですね(笑) 時々、意味がわからない言葉も出てきますし。

 時系列は行ったり来たりだし、内容も飛び飛びなので、時々何が何だかわからなくなるときもありますが、そこは直訳とはいえ補足がたくさん入っているので、つっかえながらではありますが、読んでいくことができます。

 元々枕草子はよく知っているよという方にはあまり用はない一冊かもしれませんが、面白い試みの一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典文学
感想投稿日 : 2019年8月4日
読了日 : 2019年7月12日
本棚登録日 : 2019年8月4日

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