随想 春夏秋冬

著者 :
  • 新潮社 (2015年4月20日発売)
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本棚登録 : 36
感想 : 9
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氏の作品にしては異色。かなり笑わせられた。見合いの席で昌光氏が「今まで楽しかったことはありましたか」と問えば、聖枝氏は「何もありません」。昌光氏も「僕も」と応える。喋っている時間よりはるかに長い沈黙。また、細部を観察するあまり、どんな顔をしていたのかさえ覚えていないという有様。ところが脚を見て妻になりうると直感し1回の見合いで結婚を決める。何もかもが意味不明。真実をいたって真面目に書いているのだろうが捧腹絶倒の連続。英語が苦手なのに自虐性で英文科に入ったこと。大学4年間就職活動といったものを全然していなかったこと。若い頃のエピソードはどれも昌光氏らしい。ひょうひょうとして些かの虚飾もない宮城谷昌光氏。とってもいい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2015年6月14日
読了日 : 2015年6月14日
本棚登録日 : 2015年6月14日

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