検事は刑事裁判において、起訴した被告人を有罪に持ち込むのが本務。無罪判決ともなれば、国家の威信にかかわる大失態。3回も無罪判決があれば検事生命そのものが断たれる。起訴したからには有罪を勝ち取るのが検察全体のポリシー。そこには真実も正義もない。裁判官にしても問われるのは何件の公判を処理できたか。効率を問われる裁判官はとにかく結審を稼ごうとする。効率第一の役人でしかない。痴漢冤罪に巻き込まれてしまえば職も何もかも失ってしまう。痴漢冤罪のシミュレーションが初から終わりまで克明に示されている。逃れる方途もあるにはあるが、安心というよりはこの国の怖さばかりが感じられた。
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カテゴリ:
社会
- 感想投稿日 : 2014年7月5日
- 読了日 : 2014年7月5日
- 本棚登録日 : 2014年7月5日
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