調べることが好きで、人よりも上手。それを生活の手段にしているだけ。正当とか間違っているとかを考えて仕事をしているわけではない。一見クールでシニカルな主人公。実は純真で、優しく、正直者、加えてとても恥ずかしがり屋だ。明晰な洞察には何度も舌を巻いたが、最も心惹かれたのは情の篤さ。弱い人をほっとけない、悪に対しては徹底した敵意でぶつかる。連作短編で主人公の魅力が少しずつ明らかになっていく。気づいたらすっかり心は主人公に持っていかれている。誰にでもお薦めできる名作だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年4月23日
- 読了日 : 2016年4月23日
- 本棚登録日 : 2016年4月23日
みんなの感想をみる