アンナ・カレーニナ 1 (光文社古典新訳文庫 Aト 3-2)

  • 光文社 (2008年7月10日発売)
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本棚登録 : 973
感想 : 67
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数年前に乗りきれなくて読むのやめて、この夏思い立って全巻制覇するはずが、秋になってようやく1巻。
これは、完全なるフェミニズム小説だった。

アンナ・カレーニナは、カッコいい女なんだと思う。
個人的に不倫大嫌いだし、感情より理性を優先させたいと思っているけれど、アンナのヴロンスキーに対する愛は(愛自体は大したもんでもないと思うし、いつのまにかデキてるし、ヴロンスキーの何がそんなにいいのか謎に満ち溢れているが)、社会に一石を投じる行為に等しい。

イケナイと分かっているけれど、でも止められないのっっっ!!
みたいな生半可(と言わせてもらおう)な情愛じゃない。

昼顔みたいなもんでしょーと思いながら読み始めたけれど、これは一種の女性解放運動のひとつ。

これを1880年代に生み出したトルストイはマジでニューウェーブだったんだろうなーということが想像に難くない。
同じ時期に日本では、二葉亭四迷の浮雲が出版されていた。うじうじうじうじしてる内村文三を読み耽る日本人と、アンナ・カレーニナを読むロシア人、そりゃあ仲良くできるわけもないよね!!と納得してしまった。

にしてもカレーニン、度肝抜かれただろうなぁ。続きが楽しみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年10月25日
読了日 : 2020年11月30日
本棚登録日 : 2020年8月14日

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