終戦直前の日本が舞台。中学生までもが軍の下で働かされ、誰もが日本の敗戦を感じ取っているのにまだ『皇国』としか口にも態度にも出せない世界。そして、それによって抑圧され麻痺した精神状態が怖かったです。「理想的」なのであろう成瀬の姿は薄ら寒くさえありました。著者の作品を読むのは三作目ですが、戦後生まれとは思えないくらいの作品を書く方ですね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2006年12月1日
- 読了日 : 2006年12月1日
- 本棚登録日 : 2006年12月1日
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