14歳からの哲学入門 「今」を生きるためのテキスト

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  • 二見書房 (2015年7月27日発売)
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哲学史の歴史的な流れが分かりやすく書かれているため、ストーリーで理解できる。

A哲学の誕生→A哲学は正しくない、正しいのはB哲学だ→B哲学は正しくない、正しいのはC哲学だ...の繰り返しで発展してきた哲学だが、ポスト構造主義でそのサイクルが止まった。

サイクルは止まったが、今後の哲学として考えるべきお題が明記されているため、これについて考えてみようと思う。


以下、メモ
■合理主義
“経験する“ということが成立するためには、“時間と空間という概念“が前提として必要であり、これらの概念が人間の中に最初から存在していなければ、そもそも経験すること自体が不可能である by.カント

私が認識したもの(私の精神現象)=世界
つまり、「私は、世界のホントウの姿を正しく認識できているか」などという問題は発生しない by.ヘーゲル

→私がいて世界を認識しているという認識論の哲学を終わらせた


■実存主義
※現実存在↔本質存在

人間は自分の意志を持っており、その意志によって自由に自分の本質を決めることができる。人間とは、そのような素晴らしい特別な存在だ。

実存は本質に先立つ
アンガージュマン:人生に意味はない、しかし、だからこそ、あえて自分から社会に積極的に参加しよう
by.サルトル
→パリの五月革命に繋がる


■構造主義
無意識を発見 by.フロイト

人間は、自分で思うほど自分で考えていなかった by.レヴィ・ストロース

個を見るより多を見て、それらを成立させている根本の構造を見出そう。そうしたほうが、より対象を深くしることができる。
→多を比較して、そこに隠されている共通の構造、普遍的な構造を見つけ出そう。言語=思考だから、言語の構造を取り出そう。

言語の意味とは、その使用である(言葉の意味は無根拠なルールによって決まっている) by.ウィトゲンシュタイン
→言語が無根拠なルールによって決まっている以上、どんなに思索を重ねても、人間は普遍的で客観的な答え(意味)にたどり着くことはできない。


■ポスト構造主義
真理批判主義、反哲学主義

脱構築 by.デリダ
1.テキストの内部から批判せよ
2.テキストの前提となっている対立構造(二項対立)を見つけ出し、解体せよ   

資本主義社会は、すでに生産時代を終えて消費時代に移っており、しかも記号を消費する時代になったから破綻しないのだ by.ボードリヤール


■これからの哲学
(昔)生活に必要なものを作りたい→仕事をする
(今)とにかくお金をグルグル回したい→仕事をする
by.ケインズ

労働には価値があり、人間は働いて当たり前という常識が崩壊したとき、その崩壊をどう乗り越えるべきか?

最大限の暇が得られたとしたら、その暇をどう活用してどのように幸福にいきていけばよいのか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年4月17日
読了日 : 2021年4月22日
本棚登録日 : 2021年4月17日

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