静かな雰囲気の小説で、心地よかった。
毎朝同じ時間にランニングに出かけるマイカの決まりきった生活に、非日常な出来事が起こっていく。大学時代の元カノの息子が訪ねてきたり、彼女にフラれたり。
家出したブリンクと、その家族たちがマイカの家から出て行った後の、
「もうパーコレーターは、溜息のような音を立てているだけだった」
この表現がたまらなく好き。
最後の「つらい心を抱えた人。おれがそうなっちゃった。」が老人ホームの件と繋がっているところも痺れた。
マイカの暮らしはとっても質素だけど周りは賑やかで、終わりも素敵だったし、なんだかほっこりした気分が残った。
目から入る情報は文字だけなのに、その人がどんな風貌でどんな服を着ていて、どんな部屋に住んでいるのかや風景など、これらが想像できる小説って、やっぱりすごいな〜と思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年3月5日
- 読了日 : 2023年3月5日
- 本棚登録日 : 2023年2月23日
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