真面目かと思えば、各短編の終わり方が面白くて、じわじわとロジェ・グルニエの良さを感じた。
自分の新しい恋人をまた取られたくないから友情はここまでと言われるブロッケン現象、人生を振り返り自ら命を断とうと試みを止めようとした矢先にバランスを失った老人、に対する締めがこれ笑。
「訪問者たちはきびすを返すと、階段から上の階にのぼっていく。「エホバの証人」の二人で、来世のいのちを信じなさいと個別訪問しているのだった。」
オリヴィエが童貞を失う「オテル・マティニョンの解放」もクスッとした。
愛犬と愛妻について語るレオノールもすごく好き。
不倫や恋の話が多く、フランス人は恋多き国民と言われるものの、知人を見ている限りはそんな感じがしなかったが、その考えに信憑性を感じさせる本だったなとも思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月13日
- 読了日 : 2023年7月13日
- 本棚登録日 : 2023年5月2日
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