新装版 戦中派不戦日記 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2002年12月13日発売)
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本棚登録 : 417
感想 : 41
5

深い洞察力で見つめた昭和20年の1年間。後に作家となる医学生の日記は貴重な一次資料。

歴史は後世により書き変えられていくことがある。学校で習いドラマなんかに出てくる戦前、戦中の日本。まるで8月15日を革命が起きたかのような歴史観は全く違ったことが本書から良く分かる。

日本国民は政府や軍閥に騙されていたわけでもなく、自らの意思で戦争に協力している。日本の勝利を狂信的に信じるところはあるが、ことのほか情報も伝えられている。原子爆弾、ジェット戦闘機などウワサではあっても一般人に伝わっていることが分かる。

昭和20年という一年間。作品化を前提としていない、装飾のない記録だけに貴重であろう。

現在はモーニングでマンガ「風太郎不戦日記」として連載されているようだ。こちらも気になる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2020年5月5日
読了日 : 2020年5月4日
本棚登録日 : 2020年5月4日

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