ボマーマフィアと東京大空襲 精密爆撃の理想はなぜ潰えたか

  • 光文社 (2022年5月23日発売)
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精密爆撃から無差別爆撃へ。B29による日本への空襲。なぜ大量殺戮へ発展したのかを描く。

アメリカ空軍は元々は陸軍。補助兵力だった航空機を主力兵器に。第一次世界大戦の塹壕戦、総力戦への反省から航空機によるピンポイントでチョークポイントとなる工場等の目標を狙う昼間の高高度精密爆撃。戦争による双方の犠牲を最小にする最良の手段と考えられていた。その一団がボマーマフィアと呼ばれた。

実際には精密爆撃は成功せずやがてハンセル将軍からルメイへの指揮官交代を機に低高度夜間の都市無差別攻撃へと方針は変換する。

本書は戦略爆撃の思想からどのように変化したかの裏側を描く。

現在は高性能誘導弾の発達によりある意味ボマーマフィアの理想が実現した世界。

アメリカの本だが実に日本向きな内容。そもそも東京大空襲を知らない人々も多いことだろうから、本書のような書籍が売れるのは良いことだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 戦争
感想投稿日 : 2022年9月22日
読了日 : 2022年9月22日
本棚登録日 : 2022年9月22日

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