難しく考えず気楽に楽しめる料理。少ない調理器具でシンプルに素材の味を楽しむ。ミニマム・クッキングのヒントが詰まった一冊。
著者はフランス人ではあるが、日本在住歴は30年以上。なので引用される文が、村上春樹から松尾芭蕉、小林一茶まで幅広い。最初ゴーストライターかと疑ってしまったほど。
キッチン空間、キッチン道具、食器に始まり、買い物、食品保存などのヒントからレシピにこだわらず即興で作れる調理の技術など。
全体を貫くのはとにかくシンプルなものが一番ということ。ついつい増えて年数回しか使わない器具でキッチンが散らかるより、最低限の器具でも大抵の料理はできるという。
調理法としては低温、無水料理を推奨。必要最小限の調味料で、野菜の蒸し焼きのような素材の風味と形を活かした調理。シンプルかつヘルシーな料理。
レシピなしでも簡単に作る料理の例として「二つ、三つの材料で料理する」というヒント。食材の一方がもう一方の味を引き立てる、たんぱく質と野菜の組み合わせ、人類古来からの料理の基本であるという。
おすすめの調理器具、食器、簡単なレシピや保存方法紹介されているが図版がないのがちょっと難点。
じっくり熟読してマニュアルにするより、さらっと読んでその中で自分に役立ちそうな内容だけ取捨選択して実行するのに良い。
健康志向も相まってシンプル・クッキングは最近の風潮か。多くの人に有用なヒントの詰まった一冊です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
料理
- 感想投稿日 : 2022年1月31日
- 読了日 : 2022年1月31日
- 本棚登録日 : 2022年1月31日
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