ソクラテスの弁明・クリトン(プラトン) (岩波文庫 青 601-1)

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高校生の頃は純真が故に(笑)、信念を貫くことはかくも厳しいものなのだと思った。
社会や世の中に擦れてしまった現在に読むと、不謹慎ながら喜劇と感じた。(笑)何度も笑いがこみ上げてしまった。すみません。
要するに頑固クソジジイの戯言かもしれないのだ。彼が絶対的であって初めてこの論理が成立するはずだが、裁判では信念の中身の説明はなく率直に言って詭弁が多いようにも感じる。その根拠は神のお告げ?しかも、お前はバカだと説得すれば殴られても仕方がないのでは・・・。(笑)まあ、死刑は行き過ぎだと思うが。試しにこの「弁明」部分をそのままドラマにすると、ギャグドラマとして制作も可能だと思われる。有罪が決まった後の「あがき」にも・・・状態。
全体としてかなり説話的あるいは神話的物語構成であり、ごたく!が多いのは弁舌の熱気を演出しているんでしょうか?
続く「クリトン」も冷静に考えて自縄自縛な行為とも受け取れる。哲人には異論はないが、この状態に至る軌跡を鑑みて、本当に賢人か?と思ってしまう。(笑)
大体、題名の命名が少しおかしくないだろうか?(笑)かつての怪獣映画流でいえば、「ソクラテス対クリトン」なのだが・・・。(笑)昔の書はこういうネーミングをするんですかね?僭越でした・・・。
しかし、最後の解説を読むと再び厳粛な気持ちになった。(笑)よい解説ですね。まあ、これは神話なんだな。
また、20年後くらいに読むとどんな感想になるか楽しみだ。
ご本人はこのような形で後世に語り継がれるのだから、ある意味、幸せですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学・思想
感想投稿日 : 2011年4月6日
読了日 : 2011年4月6日
本棚登録日 : 2011年1月8日

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