山登り経験などない自分にとっては、登山描写が珍しく迫真的記述に圧倒されて、なかなか面白かった。
山男2人に、類を見ない山女?の女王、そしてそれに絡み付く悪女?の男女4人の恋のさや当てを基軸に、雪山登山に挑む登山家3人の戦いを描く。
女王様のような千穂に振り回される男2人と、その2人を罠にはめる美根子がこの物語を実行支配しているが、千穂の性格描写がいまひとつすっきりこず、ここだけが少し残念なところだ。だが、そうした情念の物語とパラレルに進む登山描写は、色彩・音・皮膚に強く訴えかけるほど印象的であり、これが現実感を引きだしている。
そう、これは雪山登山そのものが主題なのだ。
ところで、裏表紙のあらすじ説明で概要が要約されているのはいかがなものなんだろうなあ。(笑)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説など
- 感想投稿日 : 2011年2月13日
- 読了日 : 2011年2月12日
- 本棚登録日 : 2011年1月29日
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