心が震えている。緊張と衝撃で。
こんなに苦しい話になるなんて。
前巻での”かえで”の喪失もほんとに苦しかった。
なのに、今度は究極の二択だよ。しかもラストが……
今巻はいよいよ翔子さんが全てを語る事になるのだけど、それは翔子さんだけでなく、咲太にも深く関わってくる展開。
翔子さんが未来からきたのは予想できていた。
いや、最初は分裂の方だったのかとダマされたけど。
でも、彼女が手術を受けることができたという話を聞いても、少しも安心できなかった。
だって伏線があったから。
その提供者は誰だろうと思った。
真っ先に思ったのは麻衣。
でも違った。
そうか、そう来たか。
そこからのいわば究極の二択は、咲太の揺れる想いがすごく痛くて、どっちもが実現してほしいと思っても、でもどちらかは諦めないといけない事実に心が悲鳴をあげる。
しかも麻衣のあんな感情剥き出しの叫びはシリーズ通じてホントに初めてだ。
だから一旦は生きたいと願い、けれど見せつけられた翔子ちゃんの現実。
だから咲太は、何もせず黙って過ごすことなんかできず、とにかくその場に急ぐのだ。
その彼の元に、その究極の二択は、けれど最後の最後で全く別の選択肢を示す。
衝撃の選択肢。
ここでもう一度思った。
そうか、そう来たか。
でもこれは、咲太が絶対に選ばない選択肢。
一つも望まない選択肢。
ならば、なにをすればいいのか、どの道を選べばいいのかわからなかった今巻とは違い、次巻、咲太のすべきことは決まっている。
大切な人を取り戻し、すべての問題を解決するために、ガムシャラに進むしかない。
どんな思春期症候群だって構わない。
物理法則なんてクソくらえだ。
そういう次巻が見たい。
きっと叶えてくれると信じて待つ。
鍵はもしかしたら、翔子ちゃんの将来予定表かもしれない。
だって、あれの納得いく説明がつかないから。
いろいろ苦しかった巻だけど、金沢での麻衣とのやり取りにはニヤニヤさせてもらったし、翔子さんとの掛け合いも楽しかった。
次巻が待ち遠しい。
- 感想投稿日 : 2016年7月12日
- 読了日 : 2016年7月12日
- 本棚登録日 : 2016年7月8日
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