リチャード三世 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1974年1月30日発売)
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本棚登録 : 686
感想 : 45
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歪んでいる、びっこだ、そばを通れば、犬も吠える。そうさ、そういう俺に、戦も終わり、笛や太鼓に踊る懦弱な御時世が、一体どんな楽しみを見つけてくれるというのだ。日なたで自分の影法師にそっと眺め入り、そのぶざまな形を肴に、即興の小唄でも口ずさむしか手はあるまい、口先ばかりの、この虚飾の世界、今さら色男めかして楽しむことも出来はせぬ、そうと決まれば、道は一つ、思いきり悪党になって見せるぞ、ありとあらゆるこの世の慰みごとを呪ってやる。

2019/11/4読了
……リチャード三世って、本当は良い王様だったんでしょ。文学史上に燦然と輝く名悪役として人々の記憶に刻まれたところで、御本人は草葉の陰で泣いているに違いないと思ってしまうのである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月23日
読了日 : 2019年11月4日
本棚登録日 : 2023年9月17日

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