主人公の「私」が前職を辞めて、働くことへのリハビリのために、5つの仕事を渡り歩く。
監視カメラで人を見張る仕事、バスの広告アナウンスを考える仕事、おかきの袋に書く豆情報を考える仕事、路地のポスターを貼り替える仕事、大きな森の小屋での仕事。
こんな仕事があるのか!と目から鱗が出るくらい、普段意識しないけど、確かに大事な仕事。
主人公は、どの仕事も真面目にこなす様子がいかにも「できる人」で、働くことへのストレスがなければ、きっと前職でもバリバリ働いていたんだろうなと感じた。
彼女の前職は最後に明かされるのだが、うーん、確かにストレス溜まりそう…
私も新卒入社してから、仕事は変わっていないので、たまに他の仕事もしてみたいと思う時があるが、主人公の「前職から手を引いて目を背けようとしていたのに、同じ場所で今も仕事をしている人と出くわしたことの気まずさと、裏腹のうらやましさ」「最初の職種に戻る時が来たような感じがした。とにかく、その周辺にでも帰っていくべきなのではないか」という気持ちの描写に、そう感じるものなのか、とこれまた目から鱗だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2018年12月11日
- 読了日 : 2018年12月11日
- 本棚登録日 : 2018年11月28日
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