紙屋ふじさき記念館 春霞の小箱 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2022年3月23日発売)
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本棚登録 : 419
感想 : 41
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シリーズ5作目。
記念館の閉館まで、あと半年。
何とか記念館の事業を続ける為に、ワークショップに力を入れる百花と一成の様子を中心に、大学3年生となった百花の学生生活もこれまでより多めに描かれている。
今作ではがっつり三日月堂も出て来るし、三日月堂でも出て来た楮の話も再び登場。
日本各地に残る紙の歴史を描いている良作なのだが、今作はとにかく登場人物が多く、半年の物語を短いピッチで書いているので、これまでのような百花や一成の記念館や紙に対する思いの深さが伝わって来ず、かなり残念。
以前の百花の興味から、紙で「こんなことが出来る、あんなことも出来る」って言うのが楽しかった。
これまでいろいろ生み出して来たから、ネタ切れなのかもしれないけれど、今回初めて出て来た「墨流し」のパートだけは良かった。
「習字」ではなく、「書道」を学んできた身には墨のすることの大事さを描いてくれたのは嬉しかった。
何故、今作でこんなに書き急ぐのだろうと思ったら、ラストで新型コロナの影響が・・・
今後どうなってしまうのだろうか???

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトな感じ
感想投稿日 : 2022年4月10日
読了日 : 2022年4月10日
本棚登録日 : 2022年2月5日

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