カンブリア 邪眼の章-警視庁「背理犯罪」捜査係 (中公文庫 か 91-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (2020年3月19日発売)
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感想 : 15
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ここ最近の作品はAIや近未来ものが多く、読み終わる度に「鏑木班のような作品が読みたいなぁ」と思っていたが、今作でやっと警察もの復活!
しかも、すぐに手を出しやすい文庫で出してくれるなんて、飛び上がるほど嬉しい!
タイトルだけ見ると「背理犯罪」と言う難しい言葉に、少し引きそうになるけど、内容は超異常現象、いわゆる超能力による犯罪を裁けるか、と言うところが重要なポイント。
きっかけが三鷹市で起きた女性の心臓死。聞き込みだけで、単なる自然死ではないと睨んだ捜査一課の尾島と、勘の鋭い所轄の生活安全課の閑谷が見えない殺人事件の謎に迫っていく。
捜査の過程も、もちろん矛盾もなく、読ませる内容になっているが、後半の裁判から死刑執行までの過程も、考えさせられる内容となっている。
実際に超能力による犯罪を裁く例など、参考例もない中でこれだけ納得出来る内容でまとめ上げるところが、やはりこの作家さんのすごいところ。
キーマンとして、途中少しだけ登場する高山宙の存在もまだ明らかになっていないことから、シリーズ化すると思われる。
尾島と閑谷の関係性も読んでいて、全然嫌味を感じないし、続編を楽しみに待とう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 警察物
感想投稿日 : 2020年4月6日
読了日 : 2020年4月6日
本棚登録日 : 2020年2月21日

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