検察側の罪人

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年9月11日発売)
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感想 : 248
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映画化されることで、何かと話題なので読んでみた。
前半は過去に強姦殺人事件を犯しながら、時効となり、立件出来なかった犯人が別件で容疑者となり、何とか有罪に持ち込み、過去の事件の復讐を企てようとするベテラン検事・最上の様子がメインで描かれる。個人的な感情で冤罪を企てる最上には全く同情出来ない。それは最上の元で容疑者に接していた沖野も同様で、彼は最上に反発するかのように検察庁を辞め、国選弁護士、雑誌の取材記者と共に事件の真相に迫っていく。
立件されたら99.9%が有罪となる刑事事件に沖野の正義は勝てるのか?その様子を描く後半3分の1は読み応えがある。
欲を言えば、最上の偽装工作よりも、沖野との対決部分にもう少しページを割いていると、もっと面白かったかもしれない。
最上の動機にはあまり納得出来ないが、沖野の葛藤は同情出来る部分がたくさんあった。
映画もそんな展開になると、さらに問題になりそうだけど…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フツー
感想投稿日 : 2017年10月3日
読了日 : 2017年10月3日
本棚登録日 : 2017年9月9日

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