ネメシスの使者

著者 :
  • 文藝春秋 (2017年7月21日発売)
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本棚登録 : 765
感想 : 123
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難しい。
その一言に尽きる。
連続殺人事件をベースにはしているが、司法関係の用語がかなり多く、読むのも難解。そして、日本における死刑制度の在り方。メインで取り上げられているこのテーマもまた難解。
無残な連続殺人事件を起こしておきながら、懲役刑に罰せられた犯罪者の親族が連続して殺害される。殺害現場には「義憤」の意味を持つギリシャ神話の女神ネメシスの名前が残され、死刑判決を免れた犯罪者たちへの復讐劇とみなされ、埼玉県警の渡瀬や古手川は県をまたいだ捜査に乗り出す…一貫して、司法制度の在り方を問う内容で物語は描かれる。心理技官など、あまり聞いたことがないような役職の人間も描かれ、少し不思議な気がするが、至るところで張られた伏線はラストで綺麗に回収される。
犯人は結構早い段階で分かるが、どんでん返しが得意な作者だけあって、最後まで気が抜けない。今回も今までとは違う趣向のどんでん返しがあり、ましても、やられてしまった…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 衝撃的!
感想投稿日 : 2017年8月2日
読了日 : 2017年8月2日
本棚登録日 : 2017年6月15日

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