オブリヴィオン (光文社文庫 と 22-3)

著者 :
  • 光文社 (2020年3月12日発売)
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本棚登録 : 365
感想 : 38
3

著者初読み。
ブクログの評価が高かったので、手に取った一冊。
妻・唯を殺害した罪で服役していた森二。出所した森二を待っていたのは二人の兄。実兄でのみ屋をしている光一と、唯の兄である義兄の圭介。
二人の干渉を避けながら生きることを決意する森二だったが、ある「奇跡」を起こせる森二を実兄の光一や周辺の人物は放っておかないし、圭介は唯を殺した事実を知る為に、森二に詰め寄る。
妻・唯を殺した事実を一人で抱え込みながら、一人で生きると決めた森二だったが、そんな森二を襲う様々なトラブル。
現在と過去を行ったり来たりする描き方はありきたりだが、再三登場する森二の「奇跡」の件があまり理解出来なかった。その「奇跡」がどれだけ森二を苦しめたのかは、ラストまで明かされない。
事件が起きるまでの、森二、唯、圭介の関係性はとても好ましいもので、事件の全容が分かった時は少々複雑な気分になる。
作品の厚みのようなものも感じるし、タイトルの「オブリヴィオン」もとても内容と合っていると思うが、全体に漂う森二が勝手に思い込んでいる罪悪感が、あまり理解出来なかった。私の理解不足かも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 微妙・・・
感想投稿日 : 2021年4月5日
読了日 : 2021年4月5日
本棚登録日 : 2020年3月19日

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