定年オヤジ改造計画 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社 (2020年9月11日発売)
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本棚登録 : 1709
感想 : 151
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著者初読み。
「老後の資金がありません」など気になる作品は多々あれど、なかなか読む機会がなく、今作が初読み。
定年後の「オヤジ」がどのように「強制的」に改造されていくのか、とても興味を持って読み始めたが、意外にも「改造」ではなく、正しくは「改心」されていく様子が描かれる。
大手企業を定年退職した庄司は、家事は妻がするもの、妻は夫の言うことを黙って聞くものなど、「ザ・昭和オヤジ」。
その庄司が毎日家にいることで、夫源病になってしまう妻、そんなオヤジに真っ向から対抗する独身キャリアウーマンの娘。最初の方のやり取りは、本当に庄司の自分勝手さに苛立ちが募るばかり。
そんな中、どのように「改造」していくのかと思っていたら、意外にも庄司を変えたのは共働きを始めた息子夫婦の孫の幼稚園の送り迎えだった。
子供たちの面倒を見ることで、息子の嫁の苦労を目の当たりにし、自ら「改造」していくと言う、意外にまともな展開に。もう少しもめるかと思っただけに、少しだけ拍子抜け。
下の孫の保育園で出会う台湾人のお父さんの話が、現在職場にいる中国人の考え方と全く同じで、日本人にはない合理的な考え方は勉強になった。
人生いくつになっても、自分の人生反省できるし、変えることが出来るんだなぁ、と考えさせられた作品だった。
これを機に他の作品も読んでみようと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトな感じ
感想投稿日 : 2020年10月20日
読了日 : 2020年10月20日
本棚登録日 : 2020年10月20日

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