天邪鬼な皇子と唐の黒猫 (TEENS’ENTERTAINMENT 18)

著者 :
  • ポプラ社 (2020年1月9日発売)
3.77
  • (6)
  • (18)
  • (15)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 131
感想 : 14
3

唐からやってきた人語を介する黒猫と、猫なんて全然すきじゃないんだからね!と言い張る光孝天皇の第七皇子・定省の平安エンタメ。

定省は実在の人物で後の宇多天皇。私はこの本で、猫のことを褒め散らかしておりながら「親からもらって仕方なく飼っている」というツンデレ日記を遺した人物だと知りました。
藤原基経や菅原道真など、実在の人物が出てくるし、寝殿造なども出てくるので、国語だけでなく歴史好きも楽しく読めると思います。

宮中のドロドロとした人間関係と、猫社会の闘争も絡み合い、特に主人公を取り巻く状況は厄介です。人間社会アの方では大人の駆け引き、という所もあるのですが、重たい話かというとそうは感じさせません。テンポの良さと、猫から見た人間社会という、「枠」の外からの視点が入るからでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童文学
感想投稿日 : 2022年3月5日
読了日 : -
本棚登録日 : 2022年3月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする