さいごの戦い (カラー版 ナルニア国物語 7)

  • 岩波書店 (2005年11月11日発売)
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感想 : 21
2

4-00116377-2
8397¥1400.
カラー版 ナルニア国ものがたり
さいごの戦い
C・・S・ルイス作

訳者:瀬田貞二(せた ていじ)
発行所:株式会社 岩波書店

ナルニア国物語 全7巻のうちの最後の物語

6巻でアスランが荒野のような大地を緑の命輝くナルニアに生まれ変わらせ7巻ではその最後再び荒野に戻り、扉の向こう側の世界に良い物たちを引き連れて行く。
扉の向こうには、会いたかった懐かしい人達が待っていた。
ネズミのリーピチープ、フォーンのタムナスさん。
馬車馬でナルニアではペガサスのような翼を持つことになったイチゴとその飼主で馬車の御者をしていた人とその奥さんがナルニアの初代王と王妃になった。その人達を含め永遠の別れをした人達が扉の向こうでにこやかに待っていた。
ルーシィは元の世界に送り返されるのを恐れていると訴えると、最後の見開きページにアスランがイギリスでは列車事故が有り皆死んだのだからもうむこうの(現実)世界には戻らなくてよいのだよ。とそして、これから始まることになる色々なことは偉大で美しいものでした。

・・・w で、この物語は終わり。
全巻一通り読んでみて(詳しく読み解くにはまだ不足でしょうけれど)
りんごの木、その木で作ったタンス。荒野の街灯がロンドンのそれにそっくりだった訳。
辻褄の合うストーリーもあれば、・・で、それはどこから来て、なぜそうなって、この先どうしちゃうわけ?ってものもあれば。このお話って必要?って感じるストーリーも有った。
最初の4人の子どもたちの内、スーザンはナルニア国より別ごとに興味を持っているため、今回の物語には参加しない。あちらの文化の個人主義というかそれぞれを尊重するのが当たり前という文化の一端が見える。

宗教観も違うのもあるけど、終わり方が・・・?

この物語は彼の世界でどの順番で発生して、この終わり方は彼の中に浮かんだものなのか、絞り出し、こねくり回して作ったものなのか、他のアイディアは有ったのか、無かったのか・・。
子どもの頃読んだ人とは違う見方や感じ方、時代背景や文化宗教も異なり呑み込めるわけでは無いのが残念でもありました。

作者さんはアイルランド生まれ、ロンドンで暮らす。学校に関わった一生を送る。途中大きな戦争があり、それに従軍した経験があり、戦友を無くし、その母親を看取る。当時のイギリスでは珍しいことではなかったようです。
宗教的な事柄については、大人になっても悩むと言うかそれを受け入れる事が大変な部分が有ったみたいです。

この物語を書き終えた後。子どもたちからたくさんのファンレターが届き、次のお話を読みたいとリクエストされても、返事はいつも「次はあなたが書いてみてくださいね」と筆をとることはなかったそうです。

ホビットの冒険を書いた作者さんとは同じ大学で過ごし、自分の命が長くないと知ると彼にも手伝ってもらい学校の部屋を片付けている。(研究室と部屋を学内に持っていた)
戦争を経験し、大切な仲間を失い、運命を受け入れ、宗教的なことに悩み好きな人と暮らすことも有った生涯だったようです。
自分で見えるうちに読めて良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年11月7日
読了日 : 2020年11月7日
本棚登録日 : 2020年11月7日

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