文章力がすごいとか
世界観が独特とかそういう本ではなくて
第二次世界大戦に勝つため
軍用犬を育てて戦地に送り出し
その寂しさから飼った柴犬を今度は”供出命令”に従って
兵隊の防寒毛皮にするために献納しなければならなかった少女の数年を
感情的よりも説明的に穏やかに描いた実話ベースの物語です。
教科書に載っていそうだなと思いました。
戦争で悲しい思いをした飼い主と
無言のうちに犠牲になった動物たちが主役ですから
やっぱり涙は一筋も二筋も零れるんですけど
過度に扇情的ではないから冷静に受け止められる部分もあって
戦争をしないと決めた今の日本に生きるあたしたちの印象に
却って残りやすいのではないかなあ。
軍用犬のアルフとフリッツ。
献納された東亜。
必死になって逃がそうとしたサチマル。
他にもネコやカメなども出てきて
動物全般をこよなく愛する方にはすごく響くと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2014年2月2日
- 読了日 : 2014年2月2日
- 本棚登録日 : 2014年2月2日
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