死に至る病 (岩波文庫 青 635-3)

  • 岩波書店 (1957年6月5日発売)
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感想 : 134
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自分の内面と徹底的に向き合うみたいなところの真剣さがすごかった。の対象がキリスト教の神であるところはかなり正統派(保守派?)な感じがするけれど。
自己意識との葛藤、どう自己意識を高めても私たちは、一人のただの人間で、不完全性から逃れられることはない、けどだからと言って、それを止めてしまうんじゃなくて、絶望を極めつつも、自分の意識と向き合い続けようとすることこそが、まさに弁証法的な生き方―彼の場合は、罪を贖う唯一の生き方―なんだ、ということを言っているのかと理解する。それには、信じること、とにかく絶望に負けない希望みたいなものの存在が必要ということにもなる。

ちょっと違うと思うけれど、理想と現実のギャップ、みたいな似たような葛藤はみんな今もあると思うし、それをじゃあどうやって受け入れて、自分自身と付き合っていくか、みたいなところがあると思った。

でも個人的には、内面に陥りすぎると、社会との接点というか、現実の物質的な部分が見えなくなりそうなので、バランス大事と思った。いろんな思想や信仰を持つ人とどう社会を作っていくか、という部分もめちゃ大事やと思うし。
分かったような感想書いてますが、まあそう簡単には理解できない部分がありました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2020
感想投稿日 : 2020年5月10日
読了日 : 2020年5月10日
本棚登録日 : 2020年5月10日

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