一緒に住んでいる元カノに恋愛感情はなく、愛しているのは彼女である私だけど、でも私は彼氏の家に入れない・・・。男女の物理的な距離感と心の距離感が、携帯電話のメールをはさみながら、交錯していく様子に、なんだか絡み合っていく3匹の蛇みたいな印象も受けた。
でも決して三角関係の話の部類に収まりきらない。相手の行動や言動を許すか許さないか、理解できるかできないかについて、「文化的背景の違い」という理由をもって、どこまで納得し、許せるのかということについて、男女関係以上のことを示唆してる。
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私たちはつい謙遜からか、さかきちゃんに感情移入をしながらこの小説を読み進めていくのではあるのだけど、私たちの中にはさかきちゃんがいるのと同じように亜美ちゃんもいるのだと思う。自身の「無邪気さの罪」は、その無邪気さゆえに気付かないものだから。
さかきちゃんが蘭であったこと、うつくしい親友が、「亜美ちゃん」であることなどなど言葉のイメージ遊びも面白い。最後はさかきちゃんが亜美ちゃんの悲しみを理解したことで気持ちが楽になった。
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- 感想投稿日 : 2013年12月27日
- 本棚登録日 : 2013年12月28日
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