この世にたやすい仕事はない

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2015年10月1日発売)
3.66
  • (127)
  • (230)
  • (205)
  • (37)
  • (19)
本棚登録 : 1995
感想 : 295
5

よくもまあこんだけ不思議な仕事を集めたなあ、と感心し、笑いながら時折人間の怖さみたいなものに一瞬だけ触れる、みたいな本でした。面白かったです。主人公の鋭いツッコミが最高。
「みはりのしごと」小説の内容にきちんとツッコミ入れてる主人公、小説家に向いてるんでないか。
「バスのアナウンスのしごと」バス内広告から消えた店は現実でも消えてしまう…というちょっと不思議な話。アナウンスの内容がいちいち笑えてセンスがある。
「おかきの袋のしごと」個人的にこれが一番好きだったかもしれない。藤子さんがなんとなく怖い。1日袋裏のメッセージを考える仕事って、いいかもしれない。
「路地をたずねるしごと」なんか怖かった。人間の怖さをするするっと書いてるような。この最後だけ他と離職理由が違って面白かった。
「大きな森の小屋での簡単なしごと」めんつゆで笑い転げた。結局最後にこの主人公は逃れるように辞めた職種に戻る…というなんとなく爽やかな読後感で終えられた。いいなあ。これ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年5月21日
読了日 : 2016年5月21日
本棚登録日 : 2016年5月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする