なんとなく今日手に取ったのは何かのメッセージかな。
8月6日に紹介されていたので、遅ればせながら。
この本が出来た時には東海村臨界事故もなく、福島の事故もなかったというのが、人間の繰り返す業というものを物語っている気がしてならない。
私の最寄りの図書館では児童向けの本棚に置かれていたけどヘビーすぎる。
被害だけを描くのではなく、そもそも原爆とは何か、どうやって作るのか、誰が作って誰が命令し誰が投下したか、その人たちが後の世で何を発言したか、戦争に至るまでの(ざっくりですが)流れ、非戦闘員を対象にした無差別爆撃が始まった歴史、原爆が投下された思惑背景、かかった費用、それからも続いた核実験の流れ、何故広島と長崎が選ばれたか…と流して読むことの出来ないぎっしり詰まった内容がドドドドっと押し寄せてきます。覚悟が必要な本ですね。
絵そのものも直視出来ない悲惨さなんですが、その絵につけられた解説(もっと読みやすく見易いとありがたかった)がむごすぎて地獄はここかと思ってしまう。
拾い書きしてみます。
「家の下じきになったまま、火勢のつのる中で『君が代』を合唱しながら死んでいった学徒」
「子どもが家の下じきになり泣きわめいている父親」
「飛び出てしまった目玉を手のひらに乗せて歩く人」
「頭のない赤んぼうを背負ったまま、何事もなかったように黙々と歩いている母親」
何よりも。
原爆が投下された日本の首相が核兵器を容認する発言をしていたこと、亡き昭和天皇が、原爆投下もやむなしと発言したことまで克明に書いてあるのが胃にずっしり来る。
原発が生まれた理由も知ってしまい吐き気もするわこれ。
それでもヒバクシャは増え続ける。その事実が今生きる人間としてキツい。
- 感想投稿日 : 2017年9月11日
- 読了日 : 2017年9月11日
- 本棚登録日 : 2017年9月11日
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