輪違屋糸里 下 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年3月9日発売)
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本棚登録 : 2057
感想 : 179
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浅田次郎の新撰組もの。
「壬生義士伝」とは異なり、女性の視点から語られている。しかしながら独白の形をとった沖田総司や芹沢鴨、永倉新八なども
奥行きをもって魅力的に描かれている。
さすが浅田次郎といったところだ。
行動をともにしても交わることのない
良し悪しではない百姓と侍の本質。
男たちの不条理を背負う、刀を持たぬ女性の強さ。等々を感じる。また島原の芸妓や
お座敷のしきたりも興味深い。
本筋ではないが読み方の分からない漢字が多いので、何度も前に戻って読み仮名を見返した。分からなくても読み進めればよいのだが、やはり物語に入り込みにくいので。例えば芸妓の位で最下級の「禿」というのがあるが「かむろ」と読む。これを
「はげ」と読んでしまうと物語に没頭できないのである(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2007年10月3日
読了日 : -
本棚登録日 : 2007年10月3日

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