炎蛹: 新宿鮫5 (光文社文庫 お 21-9)

著者 :
  • 光文社 (2001年6月1日発売)
3.55
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本棚登録 : 1155
感想 : 75
3

鮫5弾。

3つの事件が重なっている今回は、少々場面の切り替わりがバタバタと忙しい。
でもさすが大沢せんせ。
そのあたりはさらっと上手く書き分けていると思う。
それと気に入ったのは今回は鮫にパートナーがいること。
甲屋さんと一緒に行動しなければならないという制限が、そういうのに慣れていない鮫の新たな一面を垣間見せてくれていて、ファンとしてはとても楽しかった。

けれど、3つの事件が錯綜してこちらの精神状態もハイになってはくるものの、特別最後に大波となってドーン! という感じではなくて残念。
鮫の疲弊具合はいつになく凄いので(笑)、「今回は大変だなあ。最後どうなる?どうなる?」とか思っていると、あれ、なんか簡単に終わっちゃったなー……というか……。
晶との絡みも少ないし、少し物足りなかったかな。
それとイラン人と台湾人の抗争の背景も見えづらかった。

そういった難はあるものの、それでも抜群の安定感があり、読書時間が思ったように取れなかったのだけれど、期間があいてしまってもとても楽しませてもらいました。
何よりも一番のファンである桃井がいつも以上に格好良かったので、ちょうごちそうさまだった。(不純)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 大沢 在昌
感想投稿日 : 2009年10月18日
読了日 : 2009年10月9日
本棚登録日 : 2009年10月9日

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