三教指帰 (中公クラシックスJ16)

  • 中央公論新社 (2003年5月10日発売)
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感想 : 8
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空海が24歳の時に書いたと言われる「聾瞽指帰」の序文がのちに改訂され三教指帰と名づけられます。これは当時大学で官僚育成のための勉強をしていた空海が、儒教や道教では満ち足りず、仏教こそが3つのなかで最も優れているということを戯曲形式で書いたものです。
本書は原文(漢文)、注釈、現代語訳からなり、現代語訳はきわめて読みやすかったです。また本書の冒頭に掲載されている松永有慶氏による解説もとても有益で、どういう背景で本書が書かれたか、なぜ序文が変更されたのかについての説を述べられていて興味深く拝読しました。初心者は現代語訳だけを読めばいいですし、中級・上級者は四六辯儷体と呼ばれる唐時代に流行していたと言われる原文を堪能できるということで、非常にお得な本ではないでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年4月27日
読了日 : 2016年11月14日
本棚登録日 : 2023年4月27日

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