イギリス、ウフフの年金生活 (文春文庫 た 49-7)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年1月10日発売)
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一貫して読みやすく面白い本なのですが、かなり局所的な経験と知識で語っているので、正直鵜呑みにはできないなあという感じです。私はこれまでかなりの「イギリスもの」の書籍を読みましたが、一番説得力があったのは経済学者森嶋通夫さんの本でした。ちゃんとデータの裏づけがあるので、彼の言っていることに説得力がありました。かたや本書では、著者自身最後のほうで「イギリスも地区によってベネフィットの給付率が違うとは知らなかった」と述べているなど、まあ基本的にいい加減な本です。ただそう思いながら読んでいれば、十分楽しめる本です。私もイギリス在住経験がありますが、苦い思いをして「日本のほうが良かったなあ」と思う場面に関しては大変共感しました。また「イギリスはここがいいなあ」という点に関しても共感できました。さらに一番共感できた点、それは中長期的に見たら日本にいるよりイギリスで生活しているほうがよっぽど幸せなんじゃないかということですね。年々日本は住みたくない国になっています。今後日本の製造業の競争力がなくなったら、本書のようにイギリスでの生活を本気で考えようかと思います。日本の政治家はなんでこんなに能無しなんでしょうね。イギリスがうらやましいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年4月24日
読了日 : 2007年3月15日
本棚登録日 : 2023年4月24日

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