毛利元就(1)(山岡荘八歴史文庫 49)

著者 :
  • 講談社 (1986年8月28日発売)
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幼少期に父を亡くし、命を狙う家臣から見を守るため分家、兄が亡くなった折にはその嫡子、幸若丸を後見する立場となるが、その子も幼くして夭逝してしまう。
百万一心を掲げて家臣団の結束を強め、戦国の非道の中、理想を心に秘め日頃から思慮を尽くして生き抜いていく姿。

戦国の初期にこうした人物が出たことが、驚き。早くに両親と離れている上に、戦経験も無く初陣で華麗な勝利をおさめ、且つ理想やあるべき姿勢を見失わない。
大内義興や尼子経久といった強者には、こうした跡継ぎは生まれなかった。時代の流れ、また子孫の出来不出来とお家の繁栄が、この時代を形作っている。毛利家もまた、今後三本の矢がそれぞれどのような道を辿るのか、見ていきたい。

ひいてはそれが、輝元不出馬の関ヶ原に、大きな影響を及ぼすことになる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年3月12日
読了日 : 2020年3月12日
本棚登録日 : 2020年3月12日

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