「千年の祈り」に心を動かされて、イーユン・リー2冊目。
元紅衛兵だった若い女性の処刑をめぐる物語。
予想より陰惨な事件や当時の社会状況にちょっとショックを受けたが、何故か嫌な気分にはならない。
おそらく登場人物たちが非情や裏切りや悪意にまみれていても、愛情や義理堅さや正義感等の熱い心もどこかにあって、どこか納得できるからかもしれない。
舞台が平和で民主的な日本では、まず生まれ得ない凄みのある文学。貧困の恐ろしさも伝わってくる。
ところで、中国にも日本と同じく「情けは人の為ならず」のような諺があるらしいが、迷信?扱いされているとか。
親以外は信用するなと幼いころから教えられる社会ってやっぱりハード。
今回もつい一気読み。さて3作目は何を読もうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2018年4月11日
- 読了日 : 2018年4月11日
- 本棚登録日 : 2018年4月11日
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