私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー イ 4-1)

  • 扶桑社 (1996年4月1日発売)
3.82
  • (19)
  • (24)
  • (29)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 204
感想 : 31
3

原題は『ONE FOR THE MONEY』(1に金のため)
1995年英国推理作家協会賞受賞

私はステファニー・プラム、30歳、失業中で車は没収され、アパートから追い出される寸前だ。
従兄のヴィニーが経営する保釈保障会社で、裁判に出頭しなかった保釈中の容疑者を見つけると、保釈金の10%もらえるという話を聞く。
素人には危険だと反対するヴィニーを脅して得た最初の仕事は、幼なじみの警官ジョーゼフ・モレリの捜索だった。
モレリは殺人罪で起訴されていた。
彼の自供によれば、カルメン・サンチェスを訪ねたら、ジギー・クレスツァが現れ、銃を向けたので発砲したという。
正当防衛を主張していたが、目撃者はなく、銃もみつからなかった。
現場にはもう一人男がいたが、警察が来る前に消えてしまい、カルメンも行方不明だった。

ベテランの逃亡者逮捕請負人レンジャーによると、クレスツァはヘビーウェイト級のボクサー、ベニート・ラミレスのボディガードだった。
そして、事件の筋は気にしなくていい、やるべき仕事は男をみつけて警察へ連行するだけだと教える。

ラミレスのボクシングジムに行くが、彼に力づくで襲われ、逃げ出したところをモレリに助けられる。
モレリは証人を探すため、ボクシングジムを見張っていたのだ。
その夜、ラミレスが私のアパートに押し入ろうとした。

カルメンのアパートの住人も事件の夜、消えた証人を見たというが、目撃者の1人はひき逃げされて死亡していた。
翌日、もう1人の目撃者も射殺された。

ラミレスのマネージャーのジミー・アルファはジムでの出来事を謝罪したが、その後もラミレスからの嫌がらせ電話が続いた。
そこで、留守電を買うために、別件の捜索でお金を得ようと考える。
しかし、レンジャーから常に最悪の事態を考えて備えておけと言われたのを甘く考えていたため、容疑者に拳銃が入ったバッグを奪われ、家から追い出される始末だった。
レンジャーの助けで、逃げる容疑者にボディスラムをくわせ捕まえるが、レンジャーは奪われた私の銃で足を撃たれてしまう。


<解決篇>

ラミレスはカルメンの知り合いの娼婦ルーラを暴行して、私のアパートの非常階段に吊るした。
事情聴取から戻ると、モレリが部屋を掃除し、料理を作って待っていた。
証人をみつけるために協力してくれれば、見返りに懸賞金が手に入るようにすると言う。
カルメンは情報提供者だったが、ラミレスに痛めつけられ、クレスツァが後始末をしたのだろう。
ラミレスにとって、女もボクシングも同じ、じわじわといたぶりたがっている、自分がボディーガードになると言った。
しかし、モレルには約束を反古にして姿をくらました過去があった。
そこへモレリの件を引きつぐため、逃亡者逮捕請負人バイアーズが訪れる。
バイアーズがモレリの車を奪い、アクセルを踏んだ瞬間、車が爆発した。

翌日、クレスツァがよく行った肉屋、サムの店で消えた証人に似た男ルイスを見つけた。
カルメンの向かいに住んでいた老人が冷凍トラックの音に悩まされていたと言っていたことを思い出し、ルイスは窓からトラックに飛びおり、カルメンを氷の上に乗せ、連れ出したのではないかと考える。
サムとルイスが乗った冷凍トラックはマリーナで停まり、そこをラミレスの車が通り過ぎていった。
モレルに連絡し、トラックの荷台をあけると、そこにはルイスの射殺死体があった。
さらに樽の中にはカルメンの死体もあった。
ヘロインが付着していたことから、サムの船は集配船(外海に出て麻薬を運んできた大型船から麻薬を運ぶ小型船)だとモレルは言った。
私はモレルを冷凍トラックに閉じ込め、警察に引き渡した。

家に戻ると、アルファが銃を持って現れた。
彼はジャマイカ人の誘いに乗って麻薬で儲けたが、組織から抜け出せなくなっていた。
組織の仕業に似せてサムとルイスを始末し、ヘロインをふりまいておけば、警察が組織を捕まえるだろうと考えたのだ。
ラミレスを呼び出し、私に致命傷を負わせ、私の銃でラミレスを殺すという。
頭突きをくらわせ逃げたが、左足を撃たれてしまう。バッグをつかみ、銃をみつけるとバッグの中から発砲した。
アルファは死亡し、ラミレスも逮捕された。

モレルが設置していた録音器がアルファの会話を録音していた。
さらに、消えた銃も樽から発見され、指紋も残っていた。
モレルは疑義を晴らして警察に復職し、私は報奨金1万ドルを手に入れ、仕事を続けることを決めた。

<<ダイキリ>>
ステファニーが万が一のためにやっておきたいことは、ミキサーを買い、無料のダイキリ・ミックスをもらうことだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年2月4日
読了日 : 2013年2月4日
本棚登録日 : 2013年2月4日

みんなの感想をみる

ツイートする