巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?:縮みゆく国々が仕掛ける制度イノベーション

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  • 草思社 (2014年6月21日発売)
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その昔、学校で学んだEUは10か国に満たない連合だったが、いまや28か国にもなった。今もまだ独立運動が盛んな欧州において、一方で一つにまとまろうという動きがEUである。
本書を読むと、EUがいかに強い権力を持ち、各国の政治・政策に影響を与えているかがわかる。ローマ帝国滅亡後、イスラム教勢力が欧州に勢力を伸ばし、その後の共産圏の盛衰によって、国境線が何度も引き直された結果、民族や宗教が複雑に組み合わされてしまった。これをまとめる役目としてのEUを実験国家と称しているが、EUが決める政策がイノベーションを引き起こすという意味で壮大な実験だと思う。
現在の欧州を理解するための一つの切り口であり、とても興味深い。お勧めです。

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感想投稿日 : 2014年9月28日
読了日 : 2014年9月21日
本棚登録日 : 2014年9月28日

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