空想先生 (新潮文庫 む 1-5)

  • 新潮社 (1957年11月1日発売)
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本棚登録 : 68
感想 : 5
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この小説に出てくる登場人物たち・・・馬鹿一、白雲、泰山、空想先生は、人間とは何かを突き詰めて考えているようでなにか諧謔的であり、芸術に身を捧げているようでどこか韜晦的である。他者に依存して生きることを恥じない彼らの姿勢は、現代社会ではより受け入れられにくい存在かもしれない(戦後すぐでもそうだっただろうけど)。いかに偉そうに人生観を語っても「でも誰かに食わせてもらってんでしょ」と言われてしまうかもしれない。かつて食客だからこそ語れた人間礼讃は、今日では「ヒモが偉そうに語るんじゃねえ」になっているのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年9月29日
読了日 : 2023年9月28日
本棚登録日 : 2023年9月29日

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