沈黙の春(新潮文庫)

  • 新潮社 (1974年2月22日発売)
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感想 : 14
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 わたしの手元にあるのはKindle本ではなく,文庫本でもなく,1987年発行の単行本である。だから,最後の解説文がKindle本と同じ文章なのかは分からない。
 解説の最初には,レイチェル・カーソンの紹介がしてある。

この本の著者はアメリカの女性で,本名レイチェル・ルイーズ・カーソン。遠くアイリッシュとユダヤの血をひいて,しかし殆ど生粋のアメリカ人として,米国南部ペンシルヴェニア州の小さな都市に生まれた。1907年5月のことだった。

 最も早い環境汚染問題提起本として,出版以来(ということは半世紀以上),環境・生物多様性などを考える時のバイブルにもなっている本書を,わたしはずいぶん前に手に入れて,これまでも何度が読んだことがある。今回,久しぶりに最初から最後までじっくり読んでみて,やっぱり,すごい本だと思う。
 SDGsという言葉は新しいが,やっていることは,昔と何も変わんないよな。
 ただ,本書の後半に「害虫対策のために他の地域から天敵を導入する」ということが良い事のように読み取れる部分がある。農薬よりはいいという書き方だ。しかし,現在は,もともとの生態系を乱す,このような新たな種の導入は決していい方法とは考えられていない。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2023年12月30日
本棚登録日 : 2023年12月30日

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