イジェアウェレへ: フェミニスト宣言、15の提案

  • 河出書房新社 (2019年6月18日発売)
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感想 : 10

▼本の内容
娘が生まれたイジェアウェレが「娘をフェミニストに育てるにはどうしたらいいか?」という疑問を著者に送り、それに著者が手紙で答えた内容を再編集したもの。
2つの基本原則と15の提案が書かれている。フェミニズムとは何なのか?フェミニストとはどうあるべきなのか?を誰が読んでも非常にわかりやすくシンプルにまとめた、フェミニストの聖書的一冊。

▼思ったこと
・冒頭の2つの基本原則(著者は「フェミニストの道具」と書いている)が素晴らしい。一つは「自分が相手と対等に大切なんだということ」。もうひとつは「それを逆にすると同じ結果になるか?という問いかけ」。
・この2つ目の「問いかけ」はすごく大事だと思う。例えば「人前に出るときは必ず化粧をすべきである」という価値観を男性が女性に求めたとして、果たして相手の女性もその男性に同じ価値観を求めるか?ということ。一方の性別に偏った価値観であることに気づくためのシンプルで強い道具だと思う。
・男性こそフェミニストであるべきだと思った。というか、男性も女性もお互いに犯してしまいがちな差別に自覚的になるということが本質な気がする。
・そのためには「知る」ことからはじめないといけない。思いやり、なんていうのは簡単だけど、きっと自分も想像のしないような場面で女性は日々差別を受けているわけで、それを知らない限り思いやることも難しい。こういう本を男性こそ読まなければいけないと思う。
・フェミニズムの対義語にあたる言葉ってないんだろうか?(→「マスキュリズム」というらしいです。)
・「バリアフリー」が「ユニバーサルデザイン」になったように、フェミニズムという概念も最終的にはジェンダーレス的な意味を持つネーミングに昇華したらいいなと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月21日
読了日 : 2019年7月21日
本棚登録日 : 2019年7月21日

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